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箱田 照幸; 須永 博美; 瀧澤 春喜; 廣田 耕一; 小嶋 拓治
Radioisotopes, 53(2), p.59 - 69, 2004/02
汚染排ガス処理への応用拡大が検討される300keV以下の低エネルギー電子ビーム(EB)は、汚染排ガス中で散乱し、その結果ガス中において不均一な吸収線量率分布を与える。そこで、高効率な排ガス処理システムの構築のためには、線量計測が不可欠である。本研究では、空気を満たした照射容器内で2種のポリマーフィルム型線量計による深度線量率の計測,アルミニウム製全吸収型カロリメータによる深度エネルギーフルエンス率の計測を行うとともに、半経験的電子輸送コード(EDMULTコード)による深度線量率分布の計算結果と比較しながら、300keVのEB照射場の線量計測に関する研究を行った。その結果、空気中におけるビームの広がりを考慮することにより、CTA線量計及びGafchromic線量計を用いて実測した深度線量率がEDMULTコードによる計算結果と分布の傾向がよく一致することがわかった。また試作したカロリメータによるエネルギーフルエンス率は、フィルム型線量計から得られた値に比べて811%小さかった。この差は、実験誤差を考えると非常に小さな値である。以上のことから、低エネルギーEB照射場において、本研究で開発したカロリメータによりあらかじめポリマーフィルム線量計を校正しておくことにより、これらの線量計による線量率計測が可能となることが明らかとなった。
小嶋 拓治; 箱田 照幸; 須永 博美; 瀧澤 春喜; 花屋 博秋
Proceedings of 9th International Conference on Radiation Curing (RadTech Asia '03) (CD-ROM), 4 Pages, 2003/00
300keV電子線について、受感部の厚さが8-mのガフクロミックフィルム線量計により線量率測定を、試作したアルミ製全吸収型カロリメータによりエネルギーフルエンス測定をそれぞれ行うとともに、深部線量分布の半経験的計算をEDMULTコードにより行った。そして、空気中の深さに対する線量率分布及びエネルギーフルエンスに関する3つの方法による予備知見結果を比較した。これらの結果に基づき、300keV電子線の線量測定に対する影響因子について議論した。
松田 光司; 耒島 利幸*
Applied Radiation and Isotopes, 42(3), p.235 - 239, 1991/00
300keVと800keV電子線を照射した多層吸収体、Ti-air-CTA-基板(Pb.Sn,Al and CTA)の深部線量測定を行い、結果を多幡達(1989,1990)の開発した計算code,EDMULTと比較検討した。CTA中の吸収線量の測定値は、電子線入射表層部では、計算値より高く、飛程付近では低くなることがわかった。
松田 光司; 来島 利幸*
Proc. Conf. on Radiation Curing Asia, p.379 - 384, 1988/00
低エネルギー電子加速器から得られた電子線による被照射体内吸収エネルギーは、ビーム取出窓、空気層による散乱、吸収、被照射体を置く基板からの後方散乱等の影響を大きく受ける。本報告では、300keV電子線を多層吸収体、Ti+Air+CTA(セルローズトリアセテート)+Bacaking(Pb、Sn、Fe、Al)に照射した場合の深部線量分布を求め、半経験的手法による多層吸収体計算コード、EDMULTによる計算結果と比較した。CTA中の深部線量は、電子線入射面で計算を上まわり、飛程の終端部では逆の結果を示した。この傾向はBackingの原子番号が高くなる程顕著であった。300keV程度の低エネルギー電子線照射では、薄層試料の受ける吸収線量は、ビーム取出窓、空気層による散乱、吸収の影響が予想以上に大きくなることが分かった。